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市史編さん草子「市史で候」 五十二の巻 「中里村と旗本石寿」

更新日:2019年04月25日

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五十二の巻:「中里村と旗本石寿」【平成30年9月14日更新】

江戸時代、中里は武蔵という旗本の領地でした。

中里の旧家からの新出史料に、そのころの中里村の人たちと領主武蔵家との関係が窺い知れる古文書があり、注目を集めています。

近世後期、つまり江戸時代の終りごろになると武蔵家は財政が窮乏し、加えてご隠居がお金をたくさん使うので困ってしまい、中里村に御用金(財政不足を補うための臨時、不定期の賦課金)を命じたりしているのですが、それが何回も繰り返されるため、そのうちにお金を出す村の方が強くなり、武蔵家の家来たちは、これ以上要求しませんから、あと十両だけ送ってください、などと言っている、そんな文書も見つかりました。

さて、その、ずいぶんお金を使うご隠居は誰かというと、江戸の博物学者として名高い武蔵石寿(むさし せきじゅ)だったのです。

石寿は、明和3(1766)年の生まれ。石寿は号です。
幼少時は釜治郎、のち孫左衛門といいました。名は吉恵(よしとき)。
寛政3(1791)年、25歳のときに家を継ぎお勤めを果たし、文政8(1825)年には隠居。
万延元(1861)年に94歳で亡くなるまで文化的に豊かな余生を送りました。

石寿と同じころの人には、十返舎一九(1765~1831)、滝沢馬琴(1767~1848)、小林一茶(1763~1827)、葛飾北斎(1760~1849)らがいます。

隠居後に石寿が取り組んだものの一つは博物学*1でした。
石寿の研究は多岐にわたったといわれますが、
特に貝類について、天保7(1836)年、『甲介群分品彙(こうかいぐんぶんひんい)』を著しました。
貝類605品の彩色図を7類に分けて載せ、解説をつけています。貝類図鑑、ですね。
研究仲間でもあった富山藩主前田利保が序文を寄せています。

のち、天保14(1843)年には同じく貝類の図鑑『目八譜(もくはちふ)』を完成させ、これにより名を残します。
書名の「目八」は「貝」の字を二つに分けた「目」と「八」だそうで、つまりは、貝の譜。
江戸時代最高の貝類彩色図譜と評されており、
現在使われている貝の和名は、多くが石寿の『目八譜』に基づいていると言われています。


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画像が国立国会図書館のデジタルコレクションにあるので、ここで一部をご紹介しましょう。                  

『目八譜』は、全部で15巻あります。
下の画像は、13巻の表紙です。貝の絵が見えますね。

       『目八譜』13巻表紙


そして、全巻を数冊ずつ3つに分けて包んでいた帙(ちつ)*2と、帙が収められていた木箱です。

   
       『目八譜』帙

       『目八譜』木箱


下は書物を開いたところ、2例。
美しい絵図は博物画の名手、服部雪斎(はっとり せっさい)によるもので、分類し、解説したのが石寿です。


    『目八譜』を開いてみると


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書物として残っているのは、貝類に関するものですが、
昆虫の標本も作っていて、国内に現存する昆虫標本の中で、石寿によるものが最古、と言われています。

まさにその石寿の昆虫標本が今、文京区本郷の東京大学総合研究博物館の特別展「珠玉の昆虫標本」で公開されています!
石寿の昆虫標本全7箱は、特別展の目玉展示です。

江戸時代の虫たちは、鉛ガラスでできたドーム状の容器に、ワタを枕に納まっています。
約200年の時を経て、今回の展示でこれを間近に見ることができます。

       石寿による昆虫標本.東京大学総合研究博物館提供

             <写真提供:東京大学総合研究博物館>

 
昆虫の採取地は不詳とのことですが、そうなれば想像の自由は許される?!
もしかするとこれは中里の空を飛んでいたハグロトンボかもしれない!
などと思いながら標本を見るのも一興ですね。

展示は10月20日まで。(当初10月14日までのところ延長)
中里村の年貢と御用金が形を変えた貴重な標本。必見です。



 ※東京大学総合研究博物館 (文京区本郷7-3-1 東京大学キャンパス内)
  本館特別展示「珠玉の昆虫標本 江戸から平成の昆虫研究を支えた東京大学秘蔵コレクション」
  会期 : 2018年7月14日~10月20日
  時間 : 10:00~17:00(入館は16:30まで)
  休館日 : 月曜日(ただし月曜が祝日の場合は翌日火曜)
  入館料 : 無料
  アクセス : 東京メトロ丸の内線「本郷三丁目」駅より徒歩6分、都営大江戸線「本郷三丁目」駅より徒歩3分  


~・~・~・~・~


*1 博物学(はくぶつがく)・本草学(ほんぞうがく)
博物学は、動植物や鉱物・地質などの自然物の記載や分類などを行った総合的な学問分野。これから独立して生物学・植物学などが生まれる前の呼称。中国では本草学として古くから発達し、日本には奈良時代に伝えられ、江戸時代に最も盛んとなった。本草学は薬物研究にとどまらず博物学の色彩が強い。

*2 帙(ちつ)
書冊の損傷を防ぐために包むおおい。多くは厚紙に布を貼ってつくる。

(『広辞苑』第六版 参考)


<『目八譜』の画像について>
国立国会図書館デジタルコレクションの画像については、保護期間満了を確認。

<参照資料>
”Ouroboros" 東京大学総合研究博物館ニュース 第63号  2018年7月13日 

 


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