平成29年所信表明(第1回定例会)

ページ番号1002509  更新日 2020年8月30日

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平成29年第1回定例市議会の開会にあたり、私の所信を申し上げます。

本日開会いたしました市議会は、平成29年度予算をご審議いただく議会ですので、私のまちづくりの基本的な考え方を申し上げ、市議会や市民の皆さんのご理解とご協力をお願いするものでございます。

はじめに、清瀬市の都市格を高めることができた2つの件についてご報告いたします。

1つ目は、郷土博物館で収蔵しております「清瀬のうちおり」が、国の重要有形民俗文化財に指定されることになりました。
「うちおり」は、明治時代から昭和20年代にかけて、農家の女性たちが、くず繭などで織った普段着等で、洋服が普及する以前の家庭の衣料事情を知ることができる大変貴重なものであります。長年、多くの市民の皆さんに、聞き取り調査や資料の収集・整理にご協力いただき、清瀬市有形民俗文化財に指定しておりましたが、このたび、国の重要有形民俗文化財に指定されることになりました。市では、10月に郷土博物館で特別展を開催したいと考えております。
これまで、資料の収集や整理にご尽力いただいた皆さん、また、貴重な資料をご寄贈いただいた方々に、改めて感謝申し上げます。
2つ目は、2月3日から12日まで開催しました「結核医療の歴史展」についてであります。
清瀬市では、昭和6年に東京府立清瀬病院が開設されて以来、一時は亡国病と言われた結核の療養と研究の中心的な役割を果たしてきました。都心からの距離も近い場所に、多くの結核療養所が集中して病院街が形成されたのは全国的にも珍しく、「東洋一のサナトリウム」とも言われておりました。また、結核予防会結核研究所では、これまで53年にわたり、広く世界中97か国2,300人以上の研修生を受け入れ、世界規模の結核との闘いに大きく貢献してきております。こうした「結核医療と清瀬市の尊い歴史」は、清瀬市にしかない特徴であり、シティプロモーションの観点からも大きな資源であると考え、これまでも様々な場所でPRしてまいりました。平成27年には、まちづくり委員会から、「病院のまち清瀬の結核療養の歴史展の開催を!」という提言をいただき、今回、この提言が東京都の「地域資源発掘型実証プログラム事業」に採択され、「清瀬 結核の歴史展」及び「日帰りモニターツアー」と「講演会」が実現いたしました。
開催中には、リハビリテーション学院の同窓会「清始会」の会長や北里研究所の方にもお越しいただき、今後の連携についてご賛同いただきました。今後も、この「結核医療と清瀬市の尊い歴史」を様々な関係機関と協働しながら、清瀬市にしかないオンリーワンの資源としてPRしていくことが、清瀬市の魅力をさらに高めるとともに、結核という病の撲滅にも貢献することになると考えております。

平成29年度の市政運営の基本的な考え方

それでは、平成29年度の市政運営の基本的な考え方について申し上げます。
平成29年度は、第4次長期総合計画の2年目の年となります。基本理念に掲げる「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」のさらなる具現化に向け、厳しい財政状況においても、市民生活に目を向け、市民の皆さんの健康や福祉の向上に努めてまいります。
特に、清瀬市まち・ひと・しごと創生総合戦略においても戦略の基軸であります子育て支援、また、健幸寿命を延ばす取り組みは、市民の皆さんと協働し、新たな事業にも積極的に取り組んでまいります。
さらに、昨年8月の台風9号の際には、初めて避難勧告を発令するなど、これまでにない自然災害が発生していることから、引き続き、水害や震災に対する備えは万全を期し、安全安心なまちづくりを進めてまいります。

それでは、具体的な事業について、長期総合計画の5つの将来像にそって申し上げます。
1つ目は、「安全でうるおいのある暮らしができるまち」であります。
台風やゲリラ豪雨などの際に冠水してしまう箇所について、雨水の浸透化工事を行うほか、柳瀬川5号線雨水幹線整備事業では、大林組技術研究所西側の柳瀬川通りとけやき通りの間に直径2m20㎝の雨水管敷設工事を行うなど、今後も計画的に進めてまいります。また、子どもたちが安全に通学できるよう、六小前の市道0115号線は、病院街通りの交差点から乳児保育園前までの歩道拡幅工事を行うほか、芝山小学校前交差点の北側、市道0102号線にも歩道を設置いたします。
一方、誰もが生活のなかに生きがいやゆとりを持ち、心の豊かさを実感できるまちづくりを進めるため、市民の皆さんの文化や芸術、スポーツ活動などについてもしっかりと支援してまいります。郷土博物館では、「清瀬のうちおり展」のほか、子どもたちに郷土博物館に来てもらうきっかけづくりとして、夏休みには、最先端の映像技術を駆使してヴァーチャルリアリティの世界を体験することができる「最先端映像技術展」を開催いたします。また、下清戸テニスコート3面の人工芝張替工事を行います。

2つ目は、「健幸でともに支え合うまち」であります。
各種福祉計画の策定を行うほか、地域包括ケアシステムの構築に向け、医療・介護の連携を進めるとともに、地域の生活支援サービスを担うサポーターを養成する講座などを行います。また、子育て中に親の介護が重なるダブルケアを支援する「家族まるごと支援事業」を、子育てネットワークピッコロに助成を行い実施いたします。さらに、若い年代から健康づくりに取り組んでいただくため、今年度好評をいただいております「健幸ポイント事業」の対象年齢を40歳以上から30歳以上に引き下げるとともに、対象も750人に拡大します。

3つ目は、「子どもたちを健やかに育むまち」であります。
1月に発表された平成27年東京都人口動態統計では、清瀬市の合計特殊出生率は1.32で、26市の平均値と同じとなりました。26年の1.16に比べ0.16ポイント上昇しております。
まず、待機児童対策として、小規模保育所を新たに3園開設するほか、平成30年度の開設に向け中里六丁目地域に新設の私立保育園を整備します。また、低所得世帯の負担の軽減を図るため、年収約360万円未満の世帯の第2子以降の保育料を無料にします。
さらに、妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない支援を行う「ネウボラ」を実施するほか、保育園等を利用する児童が発熱などを起こした場合に、病児保育室「チルチルミチル」の職員が児童を迎えに行く病児保育送迎サービスを開始します。
学校教育では、小中学生の英語力の向上を目指し、立科山荘でイングリッシュキャンプを実施します。キャンプには外国人講師が同行し、英語のみをコミュニケーションの手段として使い、立科町の子どもたちとの交流も図ります。また、就学援助費において、生活保護基準の見直しに伴う影響が及ばないよう、引き続き市独自で従来基準を適用するとともに、入学準備金の先行支給を行います。
清瀬駅南口地域への児童館等の設置につきましても、検討を始めます。

4つ目は、「豊かな自然と調和した住みやすく活気あるまち」であります。
水と緑に恵まれた豊かな自然環境は、清瀬市の大切な財産であります。そうした豊かな自然と調和のとれた安全で住みやすいまちづくりを進めていくため、けやき通りのケヤキの剪定を市役所前からたから幼稚園まで進めるほか、けやき通りの歩道の補修を行います。また、都市計画道路、東村山3・4・15の2号線は清瀬橋からけやき通りまでの沿道地域の用途地域見直しに伴う地区計画の策定に向け調査業務を行うほか、3・4・17号線は整備に伴う移転補償等の調査を進めてまいります。
一方、活気あるまちづくりでは、引き続き、農業の労働力の確保と雇用促進を目的に、市内の農家が繁忙期などに人を雇う場合の費用を助成するほか、地域農業者支援事業や都市農業活性化支援事業など、都市農業を頑張っておられる農家の皆さんを支援してまいります。また、ニンニンスタンプ事業についても、見直しを行いながら引き続き実施し、各種のイベントがまちの賑わいにしっかりと繋がるよう関係者の皆さんと協議しながら盛り上げてまいります。

5つ目は、「都市格が高いまち」であります。
冒頭で申し上げましたように、清瀬市にしかない宝物に光が当たることで、清瀬市の都市格もどんどん高まってまいります。そしてそこには、多くの市民の皆さんや様々な団体と職員が連携、協働する現場力があります。
ふるさと納税は、昨年の12月から、返礼品に市内の生産者や商店が扱うニンジンを使った特産品などを加えたことで、寄付の件数、額とも大きく伸びております。また、市役所の屋上で採れた蜂蜜「きよはち」も大変人気を得ております。こうした取り組みは、地域経済の活性化につながるとともに、シティプロモーションにもつながることから、引き続き関係者の皆さんのご協力をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
一方、業務の効率化と市民サービスの向上では、補助金適正化検討委員会を設置し各種補助金についてご審議いただくほか、国民健康保険税の見直し検討や、公共施設使用料の改定など受益者負担の見直しを行うなど、引き続き行財政改革を進めてまいります。
また、公共施設等総合管理計画の基本方針編を策定し、この方針に基づき具体的な施設の再編等について検討してまいります。
新庁舎の建設につきましては、昨年8月に公開プレゼンテーションを実施して、設計者を選定し、現在、基本設計作業を進めております。今後、市議会の皆さんにもご議論いただくとともに、市民の皆さんとの意見交換会などを開催しながら、6月には基本設計の中間案を、9月には最終案をお示ししたいと考えております。
以上が、平成29年度の市政運営の基本的な考え方であります。

平成29年度予算案について

次に、平成29年度予算の内容について申し上げます。
初めに、国の予算案であります。
平成29年度予算案は、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算とし、一般会計の総額は前年度当初予算に比べ0.8%増の97兆4,547億円と過去最大の規模となっております。
歳入では、法人税収の増加などの影響により、税収を前年度より1,080億円多い57兆7,120億円と見込んでおりますが、近年の当初予算における増収額と比較すると低い水準になっております。また、税収の不足を補う新たな国債の発行は、前年度より622億円少ない34兆3,698億円に抑制されております。
一方、歳出では、防災・減災対策やインフラの老朽化対策などの公共事業費については、前年度より26億円増の5兆9,763億円としております。また、社会保障関係経費は、32兆4,735億円と過去最大を更新しましたが、増額幅については、経済・財政再生計画で目安に掲げる5,000億円以内の4,997億円に抑制されております。
なお、地方交付税については、地方へ交付される出口ベースで前年度より3,705億円減の16兆3,298億円となりましたが、一般財源総額では0.7%増の62兆803億円と前年度と同水準が確保されております。

次に、東京都の予算案であります。
平成29年度予算案は、新しい東京の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算とし、一般会計総額は、前年度に比べ570億円、率で0.8%減の6兆9,540億円と、5年ぶりの減額予算となっております。
歳入では、都税において、企業収益の減少による法人二税の減などから、前年度に比べ1,172億円、率で2.3%減の5兆911億円、都債は今後の人口構造の変化や社会資本ストックの維持更新需要などを見据え、将来に向けての発行余力を培うため、前年度に比べ15.6%減の2,983億円に抑制されております。
一方、一般歳出では、新しい東京の未来を切り拓く戦略的な施策展開などに財源を重点的に投入する一方で、事業評価などを通じて、ひとつひとつの施策を検証し無駄を排除した結果、前年度に比べ0.6%減の5兆642億円となっております。
また、市町村関係では、市町村総合交付金が前年度より10億円増の500億円となっているほか、清瀬市関連では、民間社会福祉施設の建て替えを促進するため、清瀬小児病院跡地を活用した仮設施設の整備に向けて17億2,500万円が計上されております。

次に、清瀬市の予算案について申し上げます。
一般会計予算額は280億8,200万円で、前年度に比べ1億5,500万円、率で0.5%の減となっております。また、一般会計と特別会計を合わせた予算総額は474億8,400万円で、前年度に比べ3億7,100万円、率で0.8%の減となっております。
まず、一般会計の歳入でございますが、市税につきましては法人市民税が一部企業の業績回復等により増加するほか、固定資産税の土地と家屋で新増築分の増収が見込まれるなど、全体では前年度に比べ6,186万円、率で0.7%増の92億6,581万円となっております。
地方交付税は、国の予算額が2.2%の減額となっているほか、臨時財政対策債振替額の増額に伴い、前年度に比べ1.9%減の36億6,000万円となっております。
国庫支出金は、障害者自立支援給付費や保育園運営費などの社会保障関係経費が増加するものの、国の補正予算に伴い臨時福祉給付金給付事業を平成28年度の予算として繰り越すことから、前年度に比べ3.7%減の56億5,800万円となっております。
都支出金は、国庫支出金と同様に社会保障関係経費の増などにより、前年度に比べ6.9%増の46億5,074万円となっております。
また、財産収入につきましては、未利用地の売り払い予定がないため、前年度と比べ大幅な減となっているほか、市債につきましては、臨時財政対策債の増額に伴い、前年度に比べ5.6%増の14億5,400万円となっております。

次に、歳出に計上しました主な事業を申し上げます。
まず、総務費では、新庁舎の基本設計業務など新庁舎建設事業に8,014万円、公共施設整備に向けた公共施設整備基金への積立金2億5,000万円を計上しているほか、プロモーション動画の制作や公共施設へのWi-Fi環境の整備などシティプロモーションにも積極的に取り組んでまいります
民生費では、待機児童解消に向けた小規模保育所3園の開設、新設の私立保育園の整備のほか、認可外保育や認証保育所を利用する方への助成、保育士確保対策として私立保育園の宿舎借り上げ支援を新たに実施します。また、自立支援給付事業では、前年度より6,492万円増の17億5,553万円を計上しております。
衛生費では、若い年代から健康づくりに取り組んでいただくため、健幸ポイント事業を拡充するほか、30歳から39歳までの市民健康診査の期間を延長し、受診率の向上に努めます。また、60歳以上の方の各種がん検診の無料化や、第2子以降のインフルエンザ予防接種の助成を引き続き行います。
農林業費では、地域農業者を支援するため、農業経営に要する施設の改修、農機具の購入に対する助成を継続して行うほか、都市農業活性化支援事業として、パイプハウスの設置などへの助成に1,000万円を計上しております。
また、商工費では、商工振興プランの策定に着手するほか、振り込め詐欺対策として自動通話録音機を貸与すため68万円を新たに計上しております。
土木費では、第六小学校前の歩道拡幅など5路線の道路整備に2億1,200万円をはじめ、道路空洞化調査に250万円、橋梁長寿命化修繕計画の策定に1,500万円を計上しております。また、緑地保全事業では、計画的に萌芽更新を進めておりますが、平成29年度は中里一丁目緑地の萌芽更新に300万円を計上しております。
消防費では、清瀬消防署の建替えに向けた用地取得に1億9,000万円を計上したほか、避難所となるすべての小中学校に災害時特設公衆電話を設置するための回線を整備するほか、女性消防団協力員の新設や、職員提案制度で提案のあった職員OBによる災害時業務従事者登録制度を開始いたします。
教育費では、学力の向上を図るため、塾講師による放課後補習を引き続き行います。また、生涯学習関係では、図書館のブックスタート事業を行うほか、内山運動公園駐車場用地購入などの関係経費を計上しております。なお、第四小学校と第六小学校の校舎大規模改造事業及び小学校の特別教室への空調整備につきましては、国の補正予算により国庫補助金が採択されましたので、本議会に平成28年度補正予算として計上させていただき、29年度に繰り越して実施いたします。

次に、特別会計でございます。
はじめに、国民健康保険事業では、被保険者数の減少により保険給付費が減額となるため、予算額は前年度に比べ5,500万円、率で0.6%減の97億400万円となっております。
下水道事業は、平成28年度に予定しておりました柳瀬川右岸5号雨水幹線整備費について、一部を除き平成29年度に繰り越して実施するため、予算額は前年度に比べ3億1,600万円、率で18.6%減の13億8,500万円となっております。
駐車場事業の予算額は、前年度より100万円増の8,900万円となっております。
介護保険では、第6期介護保険事業計画の最終年度に入り、高齢化率の高さを背景とした被保険者数の増加とともに、地域包括ケアシステム構築に向けた第2層生活支援コーディネーターの配置や総合事業の開始に伴い、予算額は前年度に比べ3,700万円、率で0.6%増の63億6,500万円となっております。
また、後期高齢者医療では、高齢化の進展に伴う被保険者数の増加などから、予算額は前年度に比べ1億1,700万円、率で6.7%増の18億5,900万円となっております。

以上、平成29年度を迎えるにあたり、私のまちづくりの基本的な考え方と新年度予算の概要について申し上げましたが、最後に一つご案内を申し上げます。
清瀬内山運動公園は、近隣にはないサッカー場が整っており、今、大変注目を集めております。市では、この清瀬市の魅力となる資源を活かし「サッカーのまち清瀬推進事業」を進めるため、相互協力協定を結ぶ十文字学園女子大学をはじめ、清瀬市体育協会やサッカー連盟、清瀬商工会、地元の自治会の方など関係者の皆さんにお集まりいただき協議を進めております。
そうしたなかで、3月19日には、前サッカー日本女子代表監督で、現在、十文字学園女子大学副学長の佐々木則夫さんにお越しいただき、昼間はサッカー大会やサッカー教室を、夜には清瀬けやきホールでシンポジウムを開催することとなりました。
今後も、こうした清瀬の魅力的な資源を大いに活用して、様々な方々と連携を図りながら、まち全体が元気になるよう努めてまいりたいと考えております。

本定例会には、新年度予算のほか平成28年度一般会計及び特別会計の補正予算などの案件をご提案申し上げておりますので、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。

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