平成28年所信表明(第1回定例会)
平成28年第1回定例市議会の開会にあたり、私の所信を申し上げます。
本日開会いたしました市議会は、平成28年度予算をご審議いただく議会ですので、私のまちづくりの基本的な考え方を申し上げ、市議会や市民の皆さんのご理解とご協力をお願いするものでございます。
平成28年度は、新たな長期総合計画のスタートの年であります。「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」に込めたまちづくりの基本理念を、清瀬市に関わるすべての方々と共有し、基本構想に描いた「都市格」が高いまちを創り上げ、さらにその先の未来に夢を咲かせるまちづくりを進めてまいります。
平成28年度の市政運営の基本的な考え方
それでは、平成28年度の市政運営の基本的な考え方を、長期総合計画で掲げた5つの将来像にそって申し上げます。
1つ目は、「安全でうるおいのある暮らしができるまち」であります。市民の皆さんがそれぞれを尊重し合い、安全で、安心して暮らせるまちをめざします。
災害対策や防犯対策は、引き続き最重要課題と位置付け、5年計画の5年目となる備蓄食糧や災害対策用備品の充実を図るとともに、避難所となる小中学校3校にマンホールトイレを設置いたします。防犯対策では、小学校4校の通学路に防犯カメラを設置するほか、学童クラブの子どもたちが帰宅する際の見守りを実施いたします。
また、うるおいのある暮らしには、文化芸術やスポーツ活動などを通じて、誰もが日々の生活のなかに生きがいやゆとりを持ち、心の豊かさを実感できるまちづくりが必要であります。そのため、コミュニティプラザや市民体育館の改修のほか、郷土博物館では清瀬の風土と歴史がわかるよう展示室の展示替えを行います。また、今年8年目を迎える石田波郷俳句大会は、その新人賞部門が小説の芥川賞と並び称されるようになり、関係者の皆さんのご尽力により、俳句を通して子どもたちの感性も豊かになってきておりますので、さらに盛り上げてまいります。
2つ目は、「健幸でともに支え合うまち」であります。本格的な少子高齢社会を迎え、みんなで支え合う、福祉と健幸づくりが充実したまちをめざします。
誰もが生きがいを感じ、自分らしく安心して暮らせるよう地域包括ケアシステムの構築を図るため、医療・介護の連携を進めるとともに、認知症カフェなどを実施してまいります。また、生活に困窮している方の生活の安定と自立を支援するため、自立相談支援事業を継続して行うとともに、子どもたちを対象に、必要に応じて家庭訪問を行い、基本的な生活習慣や継続的な学習習慣を身に付けることを支援する学習支援事業を新たに実施いたします。
さらに、いつまでも元気に日常生活を送りながら幸せだと感じることができる健康づくりを総合的、計画的に進めてまいります。平成28年度は、新たにウオーキングなど日々の健康づくりと、それによる健康状態の改善などにポイントを付け、そのポイントを市内で使える商品券と交換できる健幸ポイント事業を実施いたします。また、歯の健康が豊かな人生を送るための基礎となることから、成人歯科健診の対象を30歳から70歳までの5歳刻みに拡充して実施いたします。
3つ目は、「子どもたちを健やかに育むまち」であります。次代を担う子どもや若者たちを、安心して健やかに育てられる環境づくりを進めるとともに、学力・体力の向上と、社会性や道徳性など豊かな心を育む人づくりをめざします。
清瀬市は、これまでもNPO団体など市民の皆さんの大きな力に支えられ、子育て支援の充実を図ってまいりましたが、安心して子どもを産み育てられるまちづくりをさらに進めることは、地方創生を進めるうえでも大きな課題であります。
平成28年度は、待機児童解消に向けて、新たに家庭的保育所2か所を開設するほか、梅園第3学童クラブを増設し、子どもたちが安全・安心に過ごせる環境を整えます。また、子育てクーポン事業の子育てクーポン券とあわせて、市内で使える4,000円分の商品券を支給し、対象者も2歳までから3歳までに拡充して、子育て世代を支援します。
さらに、子育てをするうえで、おじいさんやおばあさんは身近で心強いサポーターであることから、子育て世帯と親世帯が近くに住むために、どちらかの世帯が市外から転居してきた場合に引っ越し費用等の助成を行うほか、少子化対策への取り組みとして、不妊・不育症治療費の助成を新たに開始いたします。
学校教育では、学力の向上を図るため、すべての小中学校で実施している塾講師による放課後補習を引き続き行うほか、新たに学力調査の結果を基に課題を明らかにしたうえで、その解決を図るオリジナル教材の作成を小中学校各1校で試行的に行います。
また、学校給食での地産地消を進めるため、野菜農家への収集や配達の体制を整えるほか、小中学校特別教室へ空調設備を整備するための実施設計を行います。
4つ目は、「豊かな自然と調和した住みやすく活気あるまち」であります。清瀬市の大切な財産である水と緑の環境と調和した都市基盤や生活環境を整備するとともに、産業振興を図ることで、やすらぎと活気を合わせ持つまちをめざします。
平成28年度は、神山緑地の萌芽更新や、けやき通りの樹形整備を計画的に実施するとともに、市道の拡幅工事や柳原橋の補修工事など、歩行者、自転車、車が安全に通行できる道路の整備を進めます。
また、雨水対策では、大林組西側の柳瀬川通りからけやき通りまでの市道に雨水管の整備を進めます。
一方、活気あるまちは、産業が元気でなければなりません。平成28年度は、新たに地域農業の労働力の確保と雇用促進を目的に、市内の農家の方が繁忙期などに人を雇う場合の費用を助成します。また、ビニールハウスの張り替えや農機具等の購入に助成を行う地域農業者支援事業を継続して行うほか、ニンニンスタンプ事業、ひまわりフェスティバル、ひまわり市についても引き続き実施し、まちににぎわいと活気が生まれるよう関係者の皆さんと協議しながら盛り上げてまいります。
5つ目は、「都市格が高いまち」であります。限られた市の経営資源のなかで、さまざまな主体と連携、協働し、資源を最適に割り当てることで、これまでに申し上げた4つの将来像を実現するとともに、「都市格が高いまち」をめざします。
市民の皆さんが積極的に市政に参加し、地域の連帯感により自治が営まれるよう、必要な情報や参加の場を提供し、コミュニティづくりやコミュニティ活動を支援します。
また、創造力、行動力、経営感覚を持った職員を育てるとともに、職員それぞれが能力を十分に発揮できる組織をつくり、多摩26市で一番の窓口をめざします。
そして、業務の効率化と市民サービスの向上は、我々に課せられた変わらぬ使命でありますので、引き続き行財政改革を進めてまいります。安定した財政運営をめざして、市税の収納対策強化を図るとともに、未利用地の売却や貸付等による税外収入の確保に取り組みます。
また、将来の公共施設のあり方を検討し、公共施設等総合管理計画を策定いたします。
さらに、シティプロモーションを展開し、市民の皆さんが清瀬の誇れる文化や歴史に対する認識を深め、郷土への愛着や誇りを高めていただくとともに、さまざまな方法によって市の魅力を発信してまいります。そうしたなか、現在児童センター2階に、昭和の漫画黄金時代を形成した手塚治虫、やなせたかし、馬場のぼるら「漫画家の絵本の会」8人により「未来の街づくり」をテーマに描かれた壁画がございますが、これを修復し、清瀬の宝物の一つとして、今後も展示、保存してまいります。
以上が、長期総合計画に掲げた5つの将来像をめざしスタートを切る平成28年度の基本的なまちづくりの考え方でありますが、加えて、新庁舎の建設について申し上げます。
新庁舎の建設について
新庁舎建設事業を進めるうえで、発注者支援としてコンストラクション・マネジメント方式、いわゆるCM方式を採用するため、国土交通省のモデル事業として支援を受けながら、CM事業者の選定を行ったところでございます。平成28年度は、有識者などを含めた選定委員会を設け設計者を選考し、基本設計を進めてまいります。基本設計段階においても、市議会や市民の皆さんのご意見をしっかりと伺いながら進めてまいりたいと考えております。
平成28年度予算案について
次に、平成28年度予算の内容について申し上げます。
初めに、国の予算案であります。
平成28年度予算案は、経済再生と財政健全化の両立する予算とし、一般会計の総額は平成27年度当初予算に比べ0.4%増の96兆7,218億円と過去最大の規模となっております。
歳入では、企業業績の回復による法人税収の増加などにより、税収を前年度より3兆790億円多い57兆6,040億円と、バブル期と同様の高い水準を見込んでおり、新たな国債の発行は前年度より2兆4,310億円少ない34兆4,320億円に抑制されております。
一方、歳出では、防災・減災対策やインフラの老朽化対策などの公共事業費が前年度と同水準の5兆9,737億円としております。
また、社会保障関係経費については、前年度に比べ4,412億円多い31兆9,738億円と過去最大を更新しましたが、診療報酬のマイナス改定などによって増加率については抑制されております。
なお、子育て支援や介護サービス等の充実、地方創生の本格展開など、重要施策の一億総活躍社会の実現に向けた関連予算については、特別会計を含め約2兆4,000億円の予算が計上されております。
次に、東京都の予算案であります。
平成28年度予算案は、世界一の都市の実現に向けた取り組みを加速化、深化させ、力強く前進させる予算とし、一般会計総額は7兆110億円と前年度に比べ590億円、率で0.8%増の4年連続の増額予算となっております。
歳入では、都税が企業収益が引き続き堅調に推移していることなどから、前年度に比べ1,867億円、率で3.7%増の5兆2,083億円となっており、都債は今後の社会資本ストックの維持更新需要などを見据え、将来に向けての発行余力を培うため、前年度に比べ21.4%減の3,533億円にとどめております。
一方、歳出では、オリンピック・パラリンピック開催に向けた準備や都民生活の質を高める取り組み、経済成長を支える取り組みなどに財源を重点的に投入したことにより、前年度に比べ4.8%増の5兆933億円となっております。
また、市町村関係では、市町村総合交付金が前年度よりも7億円増の490億円となっているほか、清瀬市関連では、民間社会福祉施設の建て替えを促進するため、清瀬小児病院跡地を活用した仮設施設の整備に向けた実施設計費として7,900万円が計上されております。
次に、清瀬市の予算案について申し上げます。
一般会計予算の予算規模は282億3,700万円となっており、前年度に比べ3億円、率で1.1%の減となっております。また、一般会計と特別会計を合わせた予算総額は478億5,500万円で、前年度に比べ2億4,400万円、率で0.5%の増となっております。
まず、一般会計の歳入でございますが、市税は納税義務者数の増加などにより個人市民税の所得割が増加するほか、固定資産税の家屋で新増築分の増収が見込まれるなど、全体では前年度に比べ1億376万円、率で1.1%増の92億394万円となっております。
次に、地方交付税は、国の予算額が0.3%の減額となっているほか、市税や税連動交付金など、基準財政収入額の増に伴い、前年度に比べ1.2%減の37億3,000万円と見込んでおります。
国庫支出金は、障害者自立支援給付費、生活保護費などの社会保障関係経費の増加に加え、臨時福祉給付金給付事業の増により、前年度に比べ1.5%増の58億7,641万円となっております。
都支出金は、国庫支出金同様、社会保障関係経費の増のほか、道路用地や歩道用地購入のための市町村土木事業費の増などにより前年度に比べ1.4%増の43億5,127万円となっております。
また、財産収入につきましては、中里第1・第2学童クラブ跡地の売り払いのため、前年度と比較して大幅な増となっているほか、市債につきましては、臨時財政対策債の発行抑制などに伴い、前年度に比べ23.5%減の13億7,700万円となっております。
次に、歳出では、先ほど申し上げたもの以外で、主な事業を申し上げます。
総務費では、新庁舎建設をはじめとする公共施設整備に向けた公共施設整備基金への積立金3億円を計上しているほか、結核予防会と協働したブックカバーの作成や市報の特集号で市の事業をPRするなどシティプロモーションにも積極的に取り組んでまいります。
民生費では、野塩児童館の開館時間を延長し中高生タイムを実施するための経費70万円を計上しているほか、保育料の年少扶養控除のみなし規定を継続して行います。また、臨時福祉給付金給付事業で、年金生活者等支援臨時福祉給付金の実施に伴い、前年度に比べ2億7,172万円増の3億8,982万円を計上しております。
衛生費では、インフルエンザワクチン接種の助成を継続するほか、B型肝炎予防接種の助成を新たに開始するため任意予防接種として1,126万円を計上しているほか、地球温暖化対策実行計画の策定に390万円を計上しております。
農林業費では、都市農業活性化支援事業として、パイプハウス等の設置に2,341万円を、また、商工費では、新・元気を出せ商店街事業として1,635万円を、いずれも東京都の補助事業を活用し計上しております。
土木費では、6路線の道路整備に1億4,450万円をはじめ、新たに道路空洞化調査を実施するほか、第六小学校前の歩道を拡幅するための用地購入費に8,360万円を計上しております。また、多くの子どもたちが利用している神山公園中庭を芝生化するため3,000万円を計上しているほか、伊藤ヨシ様からご遺贈いただいた緑地の活用を含め柳瀬川回廊事業をさらに推進していくための検討委員会の経費を計上しております。
消防費では、計画的に備蓄食糧などを充実するほか、避難所となる小中学校3校へのマンホールトイレの整備に600万円を計上しております。
教育費では、小中学校にタブレット型パソコンの整備を計画的に進めるとともに、LAN配線を整備し、教育環境の整備を図ります。また、就学援助費においては、生活保護基準の見直しに伴う影響が及ばないよう、引き続き従来基準を適用することとしております。さらに、内山運動公園をスポーツの拠点とするため、(仮称)第2クラブハウス用地等の取得や階段の設置、駐車場の整備などの経費を計上しているほか、ブックスタート事業で、3・4か月児健診を受診される赤ちゃんに絵本のプレゼントを始めます。
次に、特別会計でございます。はじめに、国民健康保険事業では、被保険者数の減少により保険給付費が減額となるため、予算額は前年度に比べ2億300万円、率で2%減の97億5,900万円となっております。
下水道事業では、雨水対策として柳瀬川右岸5号雨水幹線整備に5億977万円を計上したため、予算額は前年度に比べ4億8,400万円、率で39.8%増の17億100万円となっております。
駐車場事業では、24時間営業への変更などに伴う防犯カメラの増設により、予算額は前年度に比べ800万円増の8,800万円となっております。
介護保険では、第6期介護保険事業計画の2年目に入り、高齢化率の高さを背景とした被保険者数の増加とともに、地域包括ケアシステム構築に向けた生活支援コーディネーターの配置や脳トレ元気塾など介護予防事業の充実に伴い、予算額は前年度に比べ2億800万円、率で3.4%増の63億2,800万円となっております。
後期高齢者医療では、被保険者数の増加などから、前年度に比べ4,700万円、率で2.8%増の17億4,200万円となっております。
以上、平成28年度を迎えるにあたり、私のまちづくりの基本的な考え方と新年度予算の概要について申し上げましたが、最後に一つご案内を申し上げます。
映画「海よりもまだ深く」について
平成28年度は、清瀬市が全国的、世界的に注目を集める年となりそうであります。それは、是枝裕和監督の映画「海よりもまだ深く」が、5月21日から全国公開されるからであります。この作品は、是枝監督が9歳から28歳までの19年間住んでいた旭が丘団地を舞台にした作品で、是枝監督の思い入れも強い作品だと言われております。撮影も実際に清瀬の各地で行われ、公開を待ち望んでおりましたが、いよいよ公開となります。清瀬市としても、市をPRするまたとないチャンスでありますので、この映画を全面的に応援してまいりたいと思います。
そのほか、本定例会には、平成27年度一般会計及び特別会計の補正予算などの案件をご提案申し上げておりますので、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。
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