平成27年第4回定例会行政報告
平成27年第4回定例市議会の開会にあたり、行政報告を申し上げます。
まずは、市民の尊いご遺志に対しまして、市を代表して心よりお礼申し上げます。
清瀬の自然をこよなく愛し、そのままの姿で残したいとの思いから、平成17年、「伊藤記念公園 台田の杜」の用地、約1.9ヘクタールを清瀬市に寄贈をされた中里五丁目在住の伊藤ヨシ様が、去る6月13日に98歳の天寿を全うされました。
伊藤様は直系のご子孫がいらっしゃらないことから、平成20年に遺言公正証書を作成され、ご養子を迎えないまま相続が発生した場合は、自身の全ての財産を清瀬市に遺贈する旨のご遺言をされていました。その内容は、登記簿面積で1.03ヘクタール、課税評価額で6億7,200万円にも及ぶ土地、ご自宅の建物及び現金の全てとなっており、土地については去る10月28日に清瀬市への遺贈登記を完了いたしました。「台田の杜」の用地を合わせると、評価額にして約16億円のご寄贈をいただいたこととなります。
将来は伊藤様のご遺志に沿った公園等の整備を行い、偉大なご功績を後世まで残してまいりたいと考えております。12月9日には有志の皆さんにより、アミューホールにおいて伊藤様の「偲ぶ会」が執り行われますので、よろしくお願いいたします。
それでははじめに、平成28年度の予算編成について申し上げます。
日本経済は、個人消費や輸出の落ち込みにより4月から6月期の実質GDP成長率が年率で1.2%減少し、3四半期ぶりのマイナス成長となるなど、依然として足踏み状態が続いております。また、政府の月例経済報告における景気の基調判断は、中国をはじめとする新興国経済の減速などにより、生産について減少が確認されるなど、1年ぶりの下方修正となっております。
そうしたなか、先に発表された国の平成28年度予算概算要求額は、社会保障費の自然増や国債費の増加により、一般会計で102兆4,099億円に達し、平成27年度の概算要求額101兆6,806億円を大きく上回り過去最大規模となっております。
一方、東京都におきましては、平成28年度予算をオリンピック・パラリンピック開催に向けた準備の更なる加速をはじめ、都政に課された使命を確実に果たしつつ、日本をけん引し、世界をリードする「世界一の都市」の実現に向けて、確実なステップアップを図る予算と位置づけております。
このようななか、現在、平成28年度予算編成を進めておりますが、まず歳入の見込みでは、現在の経済状況を鑑みると市税収入の伸びは期待できず、平成26年4月の消費税率引上げの影響も平成27年度で平年度化するため、地方消費税交付金の増額も期待できないほか、地方交付税については、国の概算要求をみるなかでは減額となることが見込まれております。
歳出では、清瀬第三中学校校舎の大規模改造工事をはじめ、老朽化した公共施設の改修や歩道整備などの大きな財源を伴う事業が予定されているほか、自立支援給付費や介護保険などの社会保障関係経費が引き続き大幅な増額になると見込んでおります。
このようなことから、平成28年度の予算編成は非常に厳しい状況にありますが、いつまでも安心して住み続けたいと思うまちづくりを実現するために、「第4次清瀬市長期総合計画・実行計画」の着実な実施とともに、清瀬市の「都市格」を高めるための取り組みや地方創生に向けた施策の積極的な展開をはじめ、子育て世代への支援を拡充し「子育てが楽しい清瀬」を目指すほか、農業、商工業を活性化させるための支援や子どもたちが安心して学ぶことのできる教育環境の改善、さらには、「健幸寿命」を延ばすため、健康増進や介護予防事業の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
9月以降の主な事業報告
次に、9月以降の主な事業について申し上げます。
1つ目は、マイナンバーについてであります。
平成28年1月以降、社会保障・税・災害対策の分野でマイナンバーの利用が開始されることに伴い、全国で「通知カード」の発送が始まっておりますが、本市においては、11月19日より、住民票を有するすべての方に「通知カード」を郵送いたしました。
市では、来年1月から本人の申請に基づき「個人番号カード」の交付を開始しますが、これに合わせて本庁舎1階フロアに「個人番号カード受付交付室」を設置するとともに、正面玄関横には個人番号カードの交付手続きがその場で完了できる自動証明写真機の設置準備も進めております。
2つ目は、新庁舎建設事業についてであります。
新庁舎建設の基礎となる基本計画は、10月に基本計画案を公表し、1か月間パブリックコメントを実施するとともに、10月4日には健康センターにおいて市民説明会を開催いたしました。説明会では、全体の事業費の内訳、東京オリンピック・パラリンピック開催時期と重なることによる建設費高騰への懸念や庁舎機能の集約化の考え方などの質疑・意見をいただきました。また、パブリックコメントでは、現庁舎の耐震性能不足の不安、設計者選定における透明性の確保や新庁舎建設までの災害発生に対する考え方などに関する意見をいただきました。
これらの意見等を精査した結果、基本計画案を変更する必要が生じるものはございませんでしたので、この基本計画案を清瀬市新庁舎建設基本計画といたしました。
今後は、来年度より基本設計・実施設計を行い、平成30年度には南側用地の取得等を実施した後、新庁舎の建設に着手してまいりたいと考えております。
3つ目は、ごみ分別アプリケーションについてであります。
清瀬市清掃事業協同組合との連携により、近年急速に普及しているスマートフォンを活用し、ごみの出し方や収集日などをお知らせする「ごみ分別アプリケーション」の無償提供を10月1日より開始いたしました。
このアプリケーションは、ごみ収集の対象をお知らせする「ごみの収集日カレンダー」や、指定収集袋を取り扱う店舗の場所が地図で検索できる「販売店マップ」、更には台風時などによる収集変更などの情報をタイムリーに提供することができます。
現在ホームページで紹介しておりますが、市報においても定期的に周知をしてまいりますので、是非ご活用いただきたいと思います。
4つ目は、清瀬市総合防災訓練についてであります。
11月8日、清瀬市総合防災訓練を実施いたしました。今回の訓練は市民主導型の訓練として、市役所、清明小学校、清瀬駅南口周辺の3会場で実施を予定しておりましたが、当日は雨の影響により、予定を縮小して市役所会場で災害時の医療救護訓練を中心に実施いたしました。
東日本大震災から4年半以上を経過したところですが、震災時の負傷者対応には大きな課題を抱えていることから、災害医療のシナリオに基づいた図上訓練として、災害医療救護本部訓練に加え、実動訓練では人命救助の最前線における傷病者のトリアージ及び重症者緊急搬送を、医師会・歯科医師会・薬剤師会・柔道整復師会・消防署の協力により実践的に行いました。また、東京電力や東京都水道局などライフラインの根幹を担う機関の参加に加え、自衛隊による炊き出し訓練や、市職員によるりさい証明書の発行手続きなどを呼び掛けるPRも実施いたしました。当日は地域住民の皆さんをはじめ、各関係機関など600人以上の方々にご参加をいただき、大変有意義な訓練を行うことができました。
5つ目は、アイレックまつりについてであります。
今年のアイレックまつりは、設立20周年記念として、10月10日、11日の2日間に渡り盛大に開催いたしました。
「毎日がアルツハイマー」の映画上映と関口祐加監督のトーク、作家でありクレヨンハウス主宰の落合恵子氏の講演会には大勢のご参加をいただきました。また、第十小学校5年生の子どもたちが絵と句を考えた「人権かるた」の展示と、かるた取りなどの新しい企画や、20年を振り返るワークショップ、実行委員会により準備された20周年パネル展、記念誌の発行などを行いました。これを一つの節目として、今後も男女共同参画社会の実現に向けた様々な課題に取り組んでまいります。
6つ目は、きよせニンニンスタンプ事業についてであります。
きよせニンニンスタンプ事業は、11月30日に清瀬商工会館において3回目の抽選会が行われました。今回は1万3,011件のご応募をいただき、3回の抽選会の累計応募件数は3万5,823件となり、大変盛況のうちに終了いたしました。
7つ目は、成人歯科健診事業についてであります。
生活習慣病に位置付けられている歯周病や、むし歯の早期発見と早期治療の促進及び早期の予防指導を講じるため、今年度から40・50・60・70歳の節目年齢の方を対象とした成人歯科健診事業を開始し、8月から10月にかけて実施したところ、388人の方が受診されました。今後も「健幸」で生きがいの持てるまちづくりに向けた取り組みを進めてまいります。
8つ目は、生活支援・介護予防サービス提供主体等協議体についてであります。
市では、地域包括ケアシステムの構成要素である「医療」「介護」「予防」「生活支援」「住まい」の構築にむけて、7月の医療・介護連携推進協議会の設置に続き、11月24日に、第1回清瀬市生活支援・介護予防サービス提供主体等協議体を設置いたしました。
今後この協議体を通じて、地域で不足する社会資源の確認や住民等による助け合い活動を地域に根付かせ、住み慣れた地域で安心して生活できるよう、切れ目のない支援体制の構築を目指してまいります。
9つ目は、敬老大会についてであります。
9月27日、コミュニティプラザひまわりで開催した敬老大会には5千人を超える方々にご来場いただきました。式典のオープニングでは清明小学校の児童による元気で力強い清明ソーラン、第2部では老人クラブによる演芸や、市内3か所で実施し好評を得ている「脳トレ元気塾」のカラオケ体操が披露され、参加された皆さんも一緒に楽しんでいただくことができました。
10番目は、石田波郷俳句大会についてであります。
第7回清瀬市石田波郷俳句大会が、10月25日けやきホールで開催されました。今年も伊豆七島の神津島からご応募をいただいたほか、アメリカワシントン日本語学校や小笠原村母島、岩手県滝沢市など遠方からの応募も多数いただき、前回より487句多い、過去最高の1万918句が集まりました。
これまで西の松山、東の清瀬を標榜してきた石田波郷俳句大会も、海外にも名が届くまでに成長してくれたと言っても良いのではないかと思います。お聞きしたところ、日本語学校では日本語の修練のため俳句を授業に取り入れているとのことですので、五七五を通じた日本語の学習が人間形成にも大いに役立つのではないかと思います。
今年のジュニア部門では、市内小学1年生・2年生・3年生が大賞・市長賞・教育長賞の三賞に輝き、底辺の拡大を実感しております。これは、実行委員会の皆さんの出前講座の成果が実を結んできた結果でもあります。
今後も大会が大いに盛り上がることで、俳句を通じて地域や人の交流が深まり、清瀬のまちづくりと文化が盛り上がることを期待しております。
11番目は、郷土博物館の企画展及び清瀬美術家展についてであります。
郷土博物館では、10月3日から18日まで、市内在住の南雲義男氏による企画展「西武池袋線池袋~飯能間ぶらりスケッチ 南雲義男作品展」を開催いたしました。
会期中には、清瀬や西武沿線の懐かしい駅舎や、駅周辺の味わいのある風景など、鉛筆と水彩絵の具で表現された野外スケッチ作品の数々を見ようと、1,500人を超える皆様にご来場いただきました。
また、期間中に作品の舞台を廻るウオーキングツアーや野外スケッチ実践講座も開催したところ、市内外から大勢の皆様に参加していただき好評を得ました。
次に、今年で第31回目となります「清瀬美術家展」を、11月14日から23日まで開催いたしました。
この清瀬美術家展は、清瀬の芸術及び文化の向上を目的に開館当初より開催しているものであります。
今年も意欲的に活動されております、市内在住・在勤の27人の美術家の作品を展示し、大変ご好評をいただきました。
この秋に開催した3つのイベント
次に、この秋に開催しました3つのイベントについて申し上げます
1つ目は、きよせ市民まつりについてであります。
10月18日に実施した市民まつりは天候に恵まれ、4万5千人の方々にご来場いただきました。今年は友好交流都市協定を結んだ長野県立科町から、立科山荘が果物や野菜を販売したほか、立科町商工会青年部の皆さんにもりんごやジュースなど、ご当地物産の販売テントを出店していただき賑わいづくりに貢献していただきました。今後も市民まつりを通じて、市内外の皆さんの交流がますます活発になるよう、市民まつり実行委員会の働きに期待しております。
2つ目は、農業まつりについてであります。
11月21日、22日にコミュニティプラザひまわりで農業まつりを開催いたしました。
今年は8月から9月にかけての長雨や日照不足の影響により農産物の出品状況が心配されましたが、農家の高い技術力により、近隣市では同様イベントへの出品点数を減らすところがあるなか、本市では昨年の420点を大きく上回る、459点ものすばらしい清瀬産の農産物が出品され、今年も審査員の先生方より東京都農業祭の出品と同等との高い評価をいただきました。また、未来の清瀬の農業を担う若き後継者を顕彰・激励する、農業後継者顕彰・新規就業者激励賞では、6人の方が受賞されました。
まつりでは、農産物品評会や市内産野菜でできた宝船の展示とチャリティー販売、花・植木・野菜の即売のほか各地区婦人部によるアトラクションや下宿ばやしなどが行われ、収穫を祝う秋の祭典として元気あふれるものとなりました。
3つ目は、きよせひまわり市についてであります。
農業者と商工業者の連携によるきよせひまわり市が、11月28日、29日、コミュニティプラザひまわりを会場に開催されました。
ひまわり市では、今回も長野県立科町からご参加いただき、リンゴやお米なども販売されたほか、今年は立科町の町長をはじめ、立科町農業委員会が視察に来られるなど、交流の一層の広がりを感じることができました。
以上のほか、本定例会最終日の全員協議会で、地方創生の人口ビジョンと総合戦略の素案他についてご説明させていただきたいと考えております。また、平成27年度清瀬市一般会計補正予算などの案件をご提案申し上げておりますので、ご審議賜りますようお願い申し上げ行政報告といたします。
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