令和2年第4回定例会行政報告
令和2年第4回定例市議会の開会にあたり、行政報告を申し上げます。
清瀬にとって、大変嬉しいニュースが舞い込んでまいりました。11月3日、皇居・宮殿にて、名誉市民で彫刻家の澄川喜一氏が文化勲章を受章されました。
澄川氏は、東京藝術大学の学長などを歴任し、抽象彫刻のパイオニアとして「そりのあるかたち」を中心とした幾何学的な木造彫刻作品を展開する一方、東京スカイツリーのデザイン監修を務めるなど、公共空間の造形分野でも広くご活躍されております。この度の澄川氏の受章は、コロナ禍で疲弊した社会に光を灯し、必ずや元気を与えてくれることでしょう。まさに、澄川氏は、清瀬市にとっての宝であり、誇りであります。この誇りを改めてしっかりと胸に刻み、さらに都市格の高い、文化薫るまちを目指してまいります。
澄川氏のますますのご活躍をご祈念申し上げます。
新型コロナウイルス感染症対策について
それでは、はじめに、新型コロナウイルス感染症関連の状況について申し上げます。
全国各地で新型コロナウイルス感染症が再び拡大し、一日の新規感染者数が2千人を超す高い水準になるなど、夏の時期の感染の波を超える「第3波」の様相を呈してまいりました。
都内でも、一日の新規感染者数が初めて5百人を超えるなど、非常に高い水準で感染が拡大している状況から、東京都は11月19日の感染状況警戒レベルの再度の引き上げに続き、25日には都内の酒類の提供を行う飲食店及びカラオケ店について、営業時間短縮を要請するなど警戒を強めております。
このようななか、清瀬市内の退院された方を含む累計患者数は、11月に入り速いペースで増えており、11月25日現在82人と、10月末の累計患者数の約1.5倍にまで増えております。
11月14日には、市立小学校において、関係者1人の感染が判明したため、11月24日までの間、臨時休業の措置をとるなど必要な対策を講じてまいりました。
しかし、より強い感染対策が急務となっている現状を踏まえ、11月26日に、清瀬市新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、感染への警戒を強めるよう、広報車などにより市民の皆さんに注意喚起を図ってまいります。
今回は、無症状や軽症の若年層が多かった「第2波」と比べ、全世代への感染拡大と重症化のリスクのある高齢者の新規感染者が大幅に増加しているのが特徴で、特に高齢者の感染の機会をあらゆる場面で減らしていくことが重要であるとされております。
このまま患者数が増え続けてしまうと、医療体制に重大な影響を及ぼす恐れが生じるため、引き続き、手洗い・消毒の徹底、マスクの着用、三密の回避はもちろんのこと、高齢者やその同居家族は会食を控えるなど、家庭内にウイルスを持ち込まないよう対策の徹底を図ることが重要であります。
次に、新型コロナウイルス感染症対策の状況についてであります。
去る10月22日、東村山市と清瀬市・東村山市両医師会との共同でPCRセンターを開設いたしました。
毎週火曜日と木曜日の午後1時から3時まで、それぞれ8人の定員でPCR検査を実施することで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぎ、市民の皆さんの安心を確保してまいります。PCRセンターは、これまでに8日実施され、
11月26日現在、18人の方の検査が行われました。令和3年3月30日までの間、場所の提供と検査業務を担っていただく医療機関には改めて深く感謝申し上げます。
また、国の特別定額給付金の基準日の翌日である令和2年4月28日以降に出生した新生児がいる世帯に対し、対象の新生児1人につき10万円を支給する新生児特別臨時給付金につきましては、既に支給を開始しております。現時点で200件の支給を行っております。支給の対象は、令和3年3月31日までに出生の新生児となります。
さらに、新型コロナウイルスにより影響を受けている市内事業者に対しましては、清瀬エール飯事業や中小企業等総合相談窓口の開設、子育て世帯への支援を含めた清瀬市応援チケット事業などを実施しております。そのほか、市内で事業を営んでいる中小企業者等で、国の持続化給付金に該当しない方に対し、商工会と連携して、一律20万円の応援金を給付しておりましたが、11月1日より、その給付額を50万円に増額し、支援の強化を図っております。
令和3年度の予算編成について
次に、令和3年度の予算編成について申し上げます。
新型コロナウイルス感染症は、経済・社会活動や日常生活など多方面にわたって甚大な影響を与え、日本経済は厳しい局面に立たされ、かつて経験したことのない国難となりました。
そうしたなか、先に発表した国の令和3年度予算概算要求額は、一般会計で105兆4,071億円と過去最大規模となり、7年連続して100兆円を上回る規模となっております。
一方、東京都におきましては、令和3年度予算を、財政環境の先行きを見通すことが困難ななか、これまで培った財政対応力を最大限に発揮し、新しい「未来の東京」の実現に向けて、都政に課された使命を確実に果たしていく予算と位置づけ、予算編成が進められております。
このようななか、現在、予算編成を進めておりますが、まず歳入の見込みでは、現在の経済状況を鑑みると、新型コロナウイルス感染症による市税への影響が見込まれるほか、地方交付税については、国の概算要求をみるなかでは減額しており、経済活動の影響から、年末の国の予算編成に向けて予断を許さない状況にあります。
歳出では、野塩地域市民センターの耐震改修など、老朽化した各公共施設の改修、小学校体育館空調設備整備工事などの大きな財源を伴う事業が予定されているほか、生活保護費、自立支援給付費などの社会保障関係経費の増額も見込まれております。
こうしたことから、令和3年度の予算編成は例年以上に大変厳しい状況にありますが、新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越えるとともに、「新しい生活様式」の実現に向けて行政手続のデジタル化に取り組むほか、第4次清瀬市長期総合計画・実行計画に掲げる事業のなかでも、優先度を見極め、予算の重点化を図ってまいります。また、社会的に大きな課題となっている台風、地震などの災害対策など、さらなる安全で安心なまちづくりの推進、安心して子どもを産み育てられるまちを目指し子育て世代包括支援センターとしての取組の充実を図るほか、公共施設等の再編とともに清瀬駅南口地域児童センター建設に向けて取り組んでまいります。
さらには、都市計画道路や雨水幹線など長期的視点に立った都市基盤の整備、健幸寿命を延ばすため健康増進策を推進するとともに、介護予防事業の充実や地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。
9月以降の主な事業について
次に、9月以降の主な事業について申し上げます。
1つ目は、ごみの戸別収集と差額券の対応についてであります。
高齢化などを背景とした管理者不在のごみ集積所が散見される昨今の状況は、ごみの分別意識やモラルの低下を招く大きな要因となります。こうした課題に対して、廃棄物減量推進審議会で収集体系の見直しを視野に審議を行った結果、戸別収集の導入が有効であるとの答申をいただきましたので、
10月から、これまでのステーション方式を改め、戸別収集を開始いたしました。当面は、市民の皆さんの間で、戸惑いを生じてしまうことなどもあると思いますが、市としてしっかりと対応してまいります。これを契機に、ごみを排出する際のモラル向上を期待しつつ、環境美化に対する意識の高揚を図ってまいります。
また、ごみの指定収集袋の料金改正に伴う、旧指定収集袋に添付する差額券の販売につきましては、品切れ状態が続き、市民の皆さんに多大なるご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
これまで差額券販売を、各指定収集袋等取扱店及び公共施設で行っておりましたが、必要以上にご購入される方が散見されたため、9月下旬には在庫がなくなってしまう状況となりました。その後早期に差額券の発注を行い、より多くの方にご購入いただけるよう、購入枚数を限定するなどして販売をさせていただいておりますが、納品枚数よりも購入枚数が上回る状態が依然続いております。
引き続き、差額券の納品は順次行われることとなっておりますが、現時点で旧指定収集袋の使用期限は設けておりませんので、当面、新しい指定収集袋をご使用いただくなど、市民の皆さんのご理解、ご協力をお願い申し上げます。
2つ目は、清瀬市市制施行50周年に関連した事業についてであります。
去る10月3日、清瀬けやきホールを会場に、市制施行50周年記念式典を開催いたしました。
本来であれば、市民の皆さんが主体となったイベントなどで盛り上げていただく予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、規模を縮小して実施いたしました。しかし、東京都市長会会長の清水 立川市長や東京都市議会議長会会長の磯山 小平市議会議長などからの心温まるご祝辞をはじめ、50周年を記念した特別表彰や特別顕彰を行うなど、大きな節目に相応しい充実した内容となりました。
ご多用のなか、ご臨席賜りました市議会議員の皆様をはじめとする市民の皆様に改めて心より感謝申し上げます。
また、市制施行50周年の節目を、市史編さん事業をPRする絶好の機会と捉え、記念誌『清瀬 あの頃 この景色 市制施行50周年記念誌』を刊行いたしました。清瀬市誕生からの50年を写真や年表で振り返るとともに、市史編さん事業の調査研究の成果を「清瀬市誕生までの市域の歴史」としてコンパクトにまとめ紹介しております。
さらに、10月から、市の公式ホームページをリニューアルいたしました。新たなホームページは、アクセシビリティへの配慮、災害等緊急時の継続的な情報提供、現在多くの方が利用するスマートフォンなどの情報端末やSNSへの連携がしっかりと図られていることに加え、子育て世代やシニア世代が容易に情報にたどり着けるような特設サイトを設けるなど、清瀬らしさを存分に表現した内容になっております。
また、清瀬市とともに市制施行50周年を迎え、若い世代への魅力的なまちづくりが共通課題となっている東大和市と共同して、インスタグラムを活用したインタビューマガジン「キタマガ」を開設いたしました。
市内で暮らす、働く人へのインタビューを通じて、その人のライフスタイルやライフシーンを通してみえてくるまちの魅力を配信することで、「このまちに住み続けたい」という清瀬市への誇りや愛着の醸成を図ってまいります。
3つ目は、郷土博物館の企画展についてであります。
10月3日から25日までの23日間、フランスのオルセー美術館が所蔵するミレー、ルノワール、モネなど印象派の巨匠たちの名画を、美術館公認の最先端デジタル技術で原寸復元した特別展、リマスターアートでみる『オルセー美術館印象派の名画展』を開催いたしました。
特別展では、普段見ることが難しい名作33点が展示され、原画と同等の質感や色彩を身近に堪能することができるとのことで、コロナ禍の折、会期中2千人を超える多くの方にご来場いただきました。
また、11月21日からは、「下宿内山遺跡展・江戸~昭和の清瀬を掘る」を開催しております。
下宿内山遺跡は、今から約40年前に、現在の清瀬水再生センター建設に伴って発掘調査が行われた遺跡で、そこからは、江戸時代以降の農村の生活を知ることができる様々な遺物や遺構が見つかっております。特別展では、現在における考古学の研究成果を踏まえ、江戸時代初期の旗本陣屋から発掘された「天目茶碗」をはじめとする、近世から近現代にかけての陶磁器を多数展示しておりますので、ぜひご覧いただき、歴史ロマンに思いを馳せていただければと思います。
4つ目は、石田波郷俳句大会についてであります。
俳人石田波郷の没後40年に始まった波郷俳句大会は、今年で12回目を迎えました。
今年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、投句数の減少が懸念されましたが、市内外の小学生から一般までの総数で11,934句の応募をいただき、昨年を321件上回る結果となりました。特に、ジュニアの部の応募は、昨年よりも113句多い7,434句となり、俳句への関心が小中学生にも浸透しつつある状況が伺えます。
現下の状況から、例年行われている表彰式は中止させていただきましたが、今後も、“俳句のまち清瀬”をしっかりと定着させていくために、実行委員会をはじめ関係者の方々を支援して参りたいと考えております。
5つ目は、はちみつチーズジェラートについてであります。
地域の活性化を主な目的に、市役所屋上で展開している養蜂事業により収穫されたはちみつ「きよはち」は、これまで公立小中学校の給食の材料、ふるさと納税の返礼品、地元事業者との特産品作りに活用され、その知名度は高まってきております。そうしたなか、今年は、老舗百貨店高島屋のプライベートブランドの店舗からの引き合いがあり、『はちみつチーズジェラート』を商品化して、新宿高島屋と市内及び近隣のセブン-イレブンで限定販売を行いました。
BS日テレをはじめ、各新聞など多くのメディアに取り上げられたことで、販売開始直後に完売してしまうほどの売れ行きを記録しました。今後も地域活性化の急先鋒として、継続して販売してまいりたいと考えております。
6つ目は、大塚製薬株式会社と株式会社大林組との協定締結についてであります。
10月5日に、大塚製薬株式会社と、それぞれの資源や人材を有効に活用した協働によるまちづくりを推進することによって、地域の活性化と市民サービスの向上を図り、相互に発展していくことを目的に地域活性化包括連携協定を締結いたしました。連携の対象は、健康づくりや地域産業の振興、スポーツの推進、災害対応など、7つの事項に渡り、今後、実務的な協議を進め、実のある連携協力を実現してまいりたいと考えております。
また、11月12日には、株式会社大林組との間で、災害時における物資及び資機材調達に関する協定を締結いたしました。内容は、清瀬市内で大規模な災害が発生した場合などに、被災者の救出及び施設の応急復旧に必要な重機、発電機、投光器、仮設トイレなどの物資、資機材、重機オペレーターの派遣などの供給を受けるための協定となります。
以上のほか、本定例会には、令和2年度清瀬市一般会計補正予算などの案件をご提案申し上げておりますので、ご審議賜りますようお願い申し上げ、行政報告といたします。
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