令和6年3月 野塩前原遺跡出土の有孔鍔付土器が指定文化財になりました

ページ番号1013740  更新日 2024年9月13日

印刷大きな文字で印刷

野塩前原遺跡出土 有孔鍔付土器が指定文化財になりました!!

野塩四丁目に所在する野塩前原遺跡2次調査第3号住居内から出土した有孔鍔付土器が清瀬市文化財保護審議会の答申を経て、令和6年3月に市の指定文化財になりました。

有孔鍔付土器(ゆうこうつばつきどき)とは?

 有孔鍔付土器は、今から約5400~4500年前の縄文時代中期の関東・山梨および長野県を中心に出土例のある縄文土器です。この土器の名称は、平らな注ぎ口(口縁部)の下に小さい穴(孔)が等間隔で並び、その部分に鍔状(つばじょう)の盛り上がりが存在しているところからこの名前がつけられました。

 この土器の形は、縄文時代に見られる深鉢形の縄文土器と異なり、主に丸みを帯びている樽形が多いのが特徴です。また、外面の模様は色々ありますが、縄文が存在しないものや人や動物を表現した装飾が施されているものも存在しています。用途は、はっきりと分かりませんが、注ぎ口に動物の皮を張り、太鼓や酒造専用容器として使用した可能性が考えられています。

指定になった野塩前原遺跡出土の有孔鍔付土器とは?

野塩前原遺跡出土有孔鍔付土器
 野塩前原遺跡出土有孔鍔付土器

 野塩前原遺跡から出土した有孔鍔付土器は、ほぼ完全な形で出土しました。清瀬市内では有孔鍔付土器は3点出土していますが、その中で最も大きく、近隣地域の有孔鍔付土器と比較しても大型であることが判明しました。

 この土器の模様に関しては、縄文土器の特徴でもある縄目の文様が存在していません。それに加え、明確な人体表現は認められないものの胴部の上部がU字、下部に逆U字の模様が存在し、外面中央部に突起などの装飾が施されています。また、鍔部および内面上下には赤く朱が塗られていました。

有孔鍔付土器出土状況
野塩前原遺跡有孔鍔付土器出土状況

野塩前原遺跡出土有孔鍔付土器が指定になった理由

 今回、野塩前原遺跡で出土した有孔鍔付土器は、他の有孔鍔付土器と比較しても大きく、装飾も優れており、赤く塗られていたことからも日常品でなく特殊な使い方をしていた土器と想定されます。そして、出土事例が少ないことや、特殊な形をしていることから、縄文時代の清瀬における人々の考え方を知るうえでも貴重な資料といえるため、今回市の指定文化財となりました。

より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページに問題点はありましたか?(複数回答可)
このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

このページに関するお問い合わせ

郷土博物館
〒204-0013
東京都清瀬市上清戸2-6-41
電話番号(直通):042-493-8585
電話番号(代表):042-493-8585
ファクス番号:042-493-8808
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。