ブンガくんと文学散歩 ブックリスト

ページ番号1011541  更新日 2023年4月18日

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「ブンガくんと文学散歩」に登場する作品を読みたくなったあなたに贈るブックリスト。
お気に入りを携えてゆかりの地を歩いてみませんか。

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ブンガくんと文学散歩 ブックリスト

ブンガくんのイラスト

ブログ「きよせ結核療養文学ガイド ブンガくんと文学散歩」でとりあげた本を中心にリストアップしてみました。清瀬の図書館でご覧いただけるものについては、所蔵館のご案内も添えました。

ぜひお手に取ってお読みください。療養所ワールドへ、いざ。

 

若葉のライン

福永武彦(国立東京療養所 昭和22年10月~28年3月)

新潮日本文学アルバム 福永武彦 書影

『風土』
清瀬で療養中に刊行した小説。初版は昭和27年新潮社刊。新潮社1969年版が中央図書館にあります。

『草の花』
療養所での経験が映しだされた作品。冒頭、K村にある療養所の寿康館裏にぽつんと立つ百日紅の木が印象的に登場する。昭和29年新潮社から刊行。31年新潮文庫入り。中央図書館に新潮社2014年版あり。

『新潮日本文学49』
「草の花」他を収録。新潮社1980年刊。下宿図書館蔵。

『福永武彦新生日記』
福永武彦の1949年1月1日~7月15日、1951年12月10日~1953年3月3日の日記。東京療養所で過ごした日々がこまやかに記されている。「夕食後六番室に石田波郷さんを見舞ふ」「安静時間が明けてからと夕方、「風土」を書き始める」といった記述も。新潮社2012年刊。中央図書館蔵。

『新潮日本文学アルバム 福永武彦』
豊富な収録写真のなかには東京療養所時代のものもあり、中でも外気舎の内部が写っている写真は貴重な一枚。新潮社 1994年刊。駅前図書館、中央図書館蔵。
 


石田波郷(国立東京療養所 昭和23年5月~25年2月)

清瀬村 表紙

『惜命(しゃくみょう)』
生と死に向き合った療養所での日々を清瀬で詠み、清瀬でまとめた句集。「七夕竹惜命の文字隠れなし」「綿蟲やそこは屍の出でゆく門」「清瀬村医療区に鐘雪降り出す」等の句を収録。昭和25年 作品社刊。中央図書館蔵(館内利用図書)

『清瀬村』
石田波郷による随筆集。「惜命」の句も織り交ぜながら、退所後「故郷のやうになつかしい村」清瀬を懐かしんで記されたもの。昭和27年四季社刊。昭和31年 角川書店刊。いずれも中央図書館蔵。

『石田波郷全集 第二巻 俳句 II』
「惜命」ほかを収録。句碑にある「遠く病めば銀河は長し清瀬村」の句も補遺に収録されている。角川書店 昭和46年刊。『石田波郷全集』は中央図書館、駅前図書館蔵。

『酒中花以後』
「今生は病む生なりき烏頭(とりかぶと)」収録。東京美術 1970年刊。中央図書館蔵。
 


結城昌治(国立東京療養所 昭和24年2月~25年12月)

死もまた愉し 書影

『ひげのある男たち』
東京療養所で福永武彦と出会ったことがきっかけで、結城昌治は推理小説を書き始める。『ひげのある男たち』は初めて書いた長編、かつ初めて刊行された本で、福永武彦が「序」の文章を寄せている。昭和34年 早川書房刊。東京文藝社1980年版(長編推理小説選集)は駅前図書館蔵。

『終着駅』
帯に「失われた戦後空間を見直す、静かな意志を秘めた秀作」の文字。4つの章と序章、終章から成る小説。「三章 痰屋」には、結核患者の姿が描かれている。中央公論社 1984年刊は、駅前図書館蔵。講談社 2005刊の文庫版は、中央図書館蔵。

『俳句つれづれ草 昭和私史ノート』
東京療養所で石田波郷に出会い俳句に夢中になった結城が、俳句をまじえて語る昭和私史。療養所での日々も語られている。朝日新聞社1985年刊。竹丘図書館、下宿図書館に埼玉福祉会 1997刊大活字本(上下)

『俳句は下手でかまわない』
冒頭「俳句と私」で、石田波郷、福永武彦との出会いを語っている。朝日新聞社1989年刊。駅前図書館、野塩図書館蔵。1997年 朝日文芸文庫。

『死もまた愉し』
結城昌治最晩年の語り下ろし。東京療養所での日々も細やかに語られている。講談社1998年刊。駅前図書館蔵。2001年には同じく講談社から文庫版が出ている。

『軍旗はためく下に』
第63回直木賞受賞作。1970年 中央公論社刊。2020年、文庫で中央公論社から増補新版が出ている。

『昨日の花』
随筆集。療養所時代のことも随所に出てくる。波郷、福永との関係をはじめ、「コンテスト受賞の頃」には「作家 結城昌治」誕生のいきさつが記されており、必読。「格即是風」に登場する吉行の「親分の風格」も興味深い。朝日新聞社1978年刊。駅前図書館蔵。
 


吉行淳之介(国立療養所清瀬病院 昭和27年11月~29年10月)

漂う部屋 書影

『私の文学放浪』
入院した清瀬病院の病室のようすや、芥川賞の知らせが届いた夜のことなども書かれている。講談社 1965年刊。中央図書館蔵。

『吉行淳之介全集1』
芥川賞受賞作「驟雨」ほか、「治療」「夜の病室」「重いからだ」など、初期の作品を収録。講談社 1983年刊。中央図書館蔵。

『吉行淳之介全集2』
清瀬病院での入院経験から生まれた作品「漂う部屋」を収録。講談社 1983年刊。中央図書館蔵。
※写真は『漂う部屋』昭和30年河出書房刊の書影(参考)。すでに絶版で図書館蔵書にはないので、作品は全集収録のものをお読みください。

『吉行淳之介全集6』
「私の文学放浪」を収録。講談社 1983年刊。中央図書館蔵。
 


郷 静子(国立東京療養所 昭和31年ごろ)

小さな海と空 書影

『れくいえむ』
芥川賞受賞作。1973年文藝春秋社刊。中央図書館に埼玉福祉会による1990年刊の大活字本あり。

『芥川賞全集 9 』
「れくいえむ」収録。文芸春秋社 1982年刊。中央図書館蔵。

『小さな海と空』
結核を患った主人公蓉子が数年間の療養所生活を経て社会復帰していく姿を描いた小説。恋人との別れ、そして新しい出会い。1975年 文藝春秋社刊。(書影は参考)

『よみがえる季節』
『小さな海と空』の続編ともいえる作品。新しい出会いのその後。結核回復者の切実な姿が見える。1980年 文藝春秋社刊。
 


ブンガくんのイラスト

若葉のライン


清瀬市立図書館の蔵書ご案内です。
「ブンガくんと文学散歩」ブックリストの本をぜひ清瀬の図書館で。

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葉っぱのライン

「清瀬と結核」について情報をまとめたページをご案内します。
作品の背景理解のお役に立てば。
 


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