市史編さん草子「市史で候」 六十七の巻 「新しい市史 刊行開始!」

ページ番号1006148  更新日 2020年9月24日

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市史編さん草子(ぞうし)「市史で候(そうろう)」 市史爺(ししじい) 清瀬市は、昭和45(1970)年10月1日誕生。市制施行50周年を視野に入れ、現在、清瀬の歴史をまとめる事業を展開中です。当ブログでは事業の経過報告のほか、清瀬の歴史や文化、自然を楽しくご紹介しています。

六十七の巻:「新しい市史 刊行開始!」【令和2年7月10日更新】

写真:清瀬市史 3 資料編 古代・中世

このほど、新しい市史の一冊目が出ましたっ!
『清瀬市史 3 資料編 古代・中世』です。

え? 一冊目なのに「3」なの?
はい。その説明も含め、清瀬の市史編さん事業について、その始まりからを振り返りつつお話してまいりましょう。

今回の市史編さん事業が始まったのは、平成26(2014)年
この年4月、企画部に市史編さん室が置かれました。

11月には、清瀬市史編さん委員会が組織され、新しい市史の編さんに向けて基本方針の検討が始まり、年度末、平成27年3月、「清瀬市史編さんに係る基本方針」が策定されました。

写真:清瀬市史編さん委員会のようす

新しい市史は全6冊、時代ごとの資料編 計5冊と通史編 1冊で構成されること、また刊行の順番も決まりました。
つまりここで「3」が最初に出ることになったというわけです。

のちに決まった市史の名前で刊行順を説明すると、

  • 清瀬市史 3 資料編 古代・中世
  • 清瀬市史 4 資料編 近世
  • 清瀬市史 6 資料編 現代
  • 清瀬市史 2 資料編 考古
  • 清瀬市史 5 資料編 近代
  • 清瀬市史 1 通史編

資料編5冊のあと、通史編は最後に出ます。

写真:市史の名称

市史編さん委員会の学識経験者委員が部会長となる時代ごとの5つの専門部会が立ち上がり、各部会長のもと、調査活動が始まりました。

遺跡から出た遺物の調査、古文書の調査のほか、市民のみなさまのお手元にある資料の掘り起こしや聞き取り調査も行われています。各年度末、その成果をまとめて『市史研究 きよせ』を刊行。平成28年3月に第1号を、この春には、第5号を出しました。


さて、詳細は『市史研究 きよせ』の各号を見ていただくとして、ここでは今回資料編を刊行した古代・中世部会に焦点をあてて、これまでの日々を振り返ってみましょう。
 

平成27(2015)年

4月 古代・中世部会のメンバーが集まり、資料編の編さん方針を検討
5月 市域実踏調査。細かい時代別の班ごとにテーマの検討、関係論文の確認など
6月 各地の博物館、資料館、寺社、個人蔵の古文書を訪ね歩く調査の日々、開始…

平成28年、29年

つぎつぎに調査がすすみます。

平成30(2018)年

3月 市史編さん委員会で、新しい市史の名称決定。

春から秋 中世を語る市内の板碑の拓本どり

写真:花押の変遷を見ている部会での調査の様子

12月 資料編に掲載する文書を検討

文書写真をずらりと並べ、専門家(古代・中世部会の先生方)が肩を寄せて花押(サイン)の変遷を見ています。

「こっちが先?」「この順ですね」「すると、この文書は○○年ってことになりますか」

こうして発信日付だけの文書が、どの年のものか、わかっていきます。

平成31/令和元(2019)年

入札により、印刷業者決定。
市史編さん委員会では、装丁について検討。新しい市史6冊について、背表紙、裏表紙の基本デザインは共通、清瀬の特産品ニンジンを思わせるオレンジ色(ニンジン色、ですね)をベースにして、タイトル、市制施行50周年記念ロゴ、市章を入れましょう。そして表紙にはそれぞれの時代を代表する写真や図をあしらいましょう、ということに。

本文についても本格作業が進められます。
掲載が決まった資料について、古代・中世部会の先生方は執筆に、市史編さん室は所蔵者に掲載の許諾をとる作業に、精を出します。

多くの文書写真は、先生方が調査のときに撮影したものですが、新たに文書の画像を手に入れる必要がある場合は、その申請手続きも。

写真:掲載許諾申請書を送る


掲載許可のお願いと、許諾書を送り返していただくための書類を整えて、各所に郵送。
あれは、寒風吹きすさぶ頃のことでした。

写真は、掲載許諾申請の手紙の投函風景。
たくさんに見えますが、これは、ほんの一部。


写真:投函風景

投函!なにしろ、掲載資料総数は、987

全部が全部、掲載許諾を必要とするものではありませんが、中には一つの文書の掲載許諾を、まず所蔵者に、それから寄託の博物館などに、といった具合に複数先にお願いしなくてはならないものもあり、また、申請しなかったものも、その資料の掲載が許諾申請不要であることを確認する必要がありましたから、諸々トータルすると、確認作業や申請の手続きとしては、ちょっとした数をこなしたことになります。
資料の掲載が最終的に決まってからの数か月で、一気に、粛々と。


申請作業のご褒美は、許諾書。
ふだん郵便物が届くことが少ない市史編さん室にとっては、なおのこと、許諾のお返事が返ってきたときの嬉しさといったら!
届いた許諾書は、整理番号順にファイル。ときどきファイルを開いて作業の進捗を確かめます。

写真:届いた許諾書確認の様子1

写真:届いた許諾書確認の様子2



写真:校正稿の山1


許諾の手続きが着々と進む中、先生方の原稿ができあがり、入稿。
市史編さん室を真ん中に、印刷業者と、また、執筆の先生方と、校正稿が行ったり来たり。
市史編さん室はハブ空港のようでした。

入稿からの日々はこの繰り返し。
最後に色校(カラーの色合いのチェック)を返せば、脱稿。
あとは、印刷製本の出来上がりを待つばかりです。


写真:校正稿の山2

 

初稿から3校まで積み上げてみたら、こんな山に。
上の写真は、部会長の先生の手元にあったもの。

それに編さん室にあったものを合わせると、写真のような量に。

 

そして。

令和2(2020)年

春、コロナの荒波を潜り抜け、届きましたっ!『清瀬市史 3 資料編 古代・中世』。

写真:出来上がった『清瀬市史 3 資料編 古代・中世』


表紙:清瀬市史 3 資料編 古代・中世

本文742ページ、目次・細目次等々を入れると堂々801ページ、厚さは、なんと、5センチ!

表紙を飾るのは「清戸」の文字が見える古文書 北条氏照書状と、市内下宿内山遺跡出土の板碑。

清瀬の特産ニンジンを思わせる明るいオレンジ色の背表紙に、モダンな文字でタイトルをくっきりと。
題字の下には市制施行50周年記念の新しいロゴ。
思わず手に取りたくなるでしょう?

7月、市報でお知らせの通り、販売を開始しました。

ぜひ、じっくりご覧ください。
もちろん学術的興味に応える内容ですが、古文書の写真を多く掲載していますから、流れるような文字を図録のように眺めるという楽しみも、アリ。

このあと、資料編が4冊、近世、現代、考古、近代の順に出て、最後に通史編が出ます。
おたのしみに。


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